タイは、美しいビーチや歴史的な寺院、おいしい屋台グルメが魅力の人気観光地です。しかし、初めて訪れる人にとっては、文化の違いや注意点を知らずに、思わぬトラブルに遭うこともあります。
日本では当たり前のことでも、文化が異なるタイでは意外な場面に出くわすことがあります。そうした違いも旅の醍醐味ですが、事前にポイントを押さえておけば、安心して旅行を楽しめるでしょう。
この記事では、初めてタイを訪れる人が後悔しないために知っておくべき基本情報をまとめました。旅行前にチェックして、快適で思い出に残るタイ旅行を楽しみましょう!
タイの基本情報|気候・言語・通貨をチェック

タイの気候|暑季・雨季・乾季の特徴を知ろう
タイは一年中暖かい熱帯気候ですが、大きく3つの季節に分かれます。
- 暑季(3月~5月):一年で最も暑く、気温が40℃近くまで上がることも。水かけ祭り「ソンクラーン」が4月に開催されます。
- 雨季(6月~10月):スコールと呼ばれる短時間の激しい雨が降ることが多いですが、一日中雨が降り続くことは少ないです。観光客が比較的少なく、ホテル料金も安め。
- 乾季(11月~2月):一年で最も過ごしやすいシーズン。特に12月~1月は気温が25℃前後で快適ですが、観光シーズンのためホテルの料金が高くなります。
✓ベストシーズンは?
涼しくて過ごしやすい11月~2月の乾季がおすすめ。ただし、旅費が高くなるので、安く行きたいなら雨季の9月~10月も狙い目。
タイの言語|英語は通じる?
タイの公用語はタイ語ですが、観光地や高級ホテル、ショッピングモールでは英語が通じることが多いです。
しかし、ローカルな市場やタクシーでは英語が通じないこともあるので、簡単なタイ語を覚えておくと便利です。
- こんにちは:サワディーカー(女性)/サワディーカップ(男性)
- ありがとう:コップンカー(女性)/コップンカップ(男性)
- いくらですか?:タオライ カ?(女性)/タオライ カップ?(男性)
- 大丈夫です:マイペンライ
- 辛くしないでください:マイ ペット
タイの通貨|両替のコツとお得な方法
タイの通貨はバーツ(THB)で、1バーツは約4.5円前後です(2025年3月現在。レートは変動します)。日本円に換算するには、1バーツに4.5を掛けると日本円の金額になります。
- 日本円からバーツへの両替は、日本よりもタイの両替所のほうがお得
- 空港の両替所はレートが悪いので、最低限の金額だけ両替し、市内のレートが良い両替所で追加両替するのがベスト
- 「手数料なし」と書かれていても、レートが悪い両替所もあるので注意
- 両替時に金額を確認し、受け取ったバーツをその場で数える(たとえ空港や銀行の窓口で両替をしても、不足がある場合があるため、受け取った金額をしっかり確認しましょう。)
- 路上や個人での両替は絶対にしない!(詐欺や偽札のリスクあり)

両替について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
お酒のルール|買えない時間・飲めない日がある?


タイでは日本とは異なり、法律でお酒を販売できる時間や飲酒が禁止される日が厳しく決められています。知らずに買いに行っても購入できなかったり、罰則の対象になることもあるため、事前にルールを確認しておきましょう。
⏰ アルコールが買える時間帯
タイの法律では、コンビニやスーパー、飲食店でのアルコール販売時間が制限されています。
✅ 11:00~14:00
✅ 17:00~24:00
この時間以外は、コンビニやスーパーでお酒を購入することはできません。たとえ店頭に商品が並んでいても、レジでエラーが出て購入できない仕組みになっています。
🚫 アルコールが買えない時間帯
❌ 14:00~17:00
❌ 深夜0:00~翌朝11:00
バーやレストランでは、営業時間内であればお酒を提供している場合もありますが、深夜になると販売が制限されることが多いので注意が必要です。
⚠ 例外として、空港の免税店や高級ホテルのレストラン・バーでは、時間制限なしで購入できることもあります。
仏教の日など、お酒が飲めない日は要注意!
タイでは仏教の戒律を重んじる文化があり、特定の日にはアルコールの販売や提供が全面的に禁止されます。
🚫 お酒が買えない&飲めない主な日
以下の日は、スーパーやコンビニだけでなく、レストランやバーでもアルコールが提供されません。
- マカブーチャ(万仏祭)(2月~3月頃)
- ヴィサカブーチャ(仏誕節)(5月頃)
- アサラハブーチャ(三宝節)(7月頃)
- カオパンサー(入安居)(7月頃)
- オークパンサー(出安居)(10月頃)
- 選挙の前日・当日(地方・国政選挙がある場合)
仏教の祝日は毎年変動するため、旅行前に滞在期間中に該当する日がないか確認しておくと安心です。
祝日にお酒を飲む裏技はある?
基本的に、仏教の日はどこでもお酒が買えませんが、一部のホテルや観光客向けのレストランでは、隠れたサービスとして提供されることもあります。 ただし、法律上は違反となるため、利用する場合は自己責任で。
タイのトイレの紙は流せる?流せない?


タイのトイレ事情は、日本とは少し異なります。旅行中、トイレで困らないように、使い方や注意点を事前に理解しておくことが大切です。
🚽 流せない場合が多い
タイでは、ほとんどのトイレでトイレットペーパーを流すことができません。特に、公共トイレや古い建物のトイレでは、紙が詰まってしまうことを防ぐため、流さないようにしています。
流せない理由
- 下水道の設備が古い
- 詰まりやすい管の構造
🚮 どうするの?
トイレットペーパーを使った後は、専用のゴミ箱に捨てるのが一般的です。トイレ内に必ずゴミ箱が設置されているので、それを利用しましょう。
また、タイのほとんどのトイレには、外側にホースが備え付けられており、レバーを押すと水が噴射されます。これは、日本でいうウォシュレットのような機能を果たします。水の勢いが強い場合があるため注意が必要ですが、ウォシュレットを利用したい方はこのホースを活用できます。
公共トイレの利用方法とチップの相場
タイの公共トイレでは、利用する際に料金がかかる場合があります。また、利用後にはチップを渡す習慣もあります。
多くの公共トイレでは、利用料金が1~5バーツ程度かかります。特に観光地やショッピングモール、駅などで一般的です。料金を支払うことで、トイレの清掃や管理が行われています。
支払い方法
- トイレットペーパーが提供される場合もあり、その料金に含まれていることが多い
- お釣りがない場合があるので、なるべく小銭を用意しておくと便利です



タイのトイレでは、個室内にトイレットペーパーが設置されていないことも多く、手洗い場の近くに備え付けられているペーパーを必要な分だけ先に取る場合があります。そのため、個室に入る前にトイレットペーパーがあるかを必ず確認しましょう。さらに、旅行中はポケットティッシュやウェットティッシュを常に持ち歩くと便利です。
パスポートの有効期限に注意|タイは6ヶ月以上必要!


海外旅行を計画するとき、フライトやホテルの予約に気を取られがちですが、忘れてはならないのがパスポートの有効期限です。
特にタイに渡航する場合は、有効期限が「6ヶ月以上」残っていることが求められます。
なぜ6ヶ月以上の有効期限が必要なのか?
1. 入国管理のルール
タイを含む多くの国では、入国時にパスポートの有効期限が一定期間以上残っていることを求めています。これは、滞在中にパスポートが無効にならないようにするための措置です。
2. 滞在期間+予備期間の確保
タイの観光ビザやビザなし渡航であっても、滞在期間をカバーするだけでなく、余裕を持った有効期限が求められます。万が一、滞在が延びる場合や緊急事態が発生した場合に備えるためです。
3. 航空会社の搭乗拒否リスク
航空会社もパスポートの有効期限をチェックしており、入国要件を満たしていないと搭乗を拒否される可能性があります。これは、渡航先で入国を拒否された場合に航空会社が責任を負わなければならないためです。
パスポートの有効期限が足りない場合のリスク
1. 空港での入国拒否
タイの入国審査官が、有効期限が不足していると判断した場合、入国を許可されず、そのまま帰国しなければならないこともあります。
2. 航空会社の搭乗拒否
チェックインカウンターで有効期限が足りないと判明すると、搭乗を拒否される可能性があります。その場合、航空券の変更やキャンセルに追加費用が発生するかもしれません。
3. トランジット国での問題
乗り継ぎのあるフライトを利用する場合、トランジットする国の入国要件も確認する必要があります。有効期限不足が原因で乗り継ぎできなくなるケースもあります。
期限が足りないときの対処法
1. パスポートの早めの更新
有効期限が半年を切ったら、すぐに更新手続きを行いましょう。通常、更新には1週間から2週間程度かかりますが、繁忙期は時間がかかることもあります。
2. 緊急発行の申請
急な渡航が決まった場合、パスポートセンターで「至急発行」の申請ができる場合があります。必要書類や手続き方法を事前に確認しましょう。
タイの水道水は飲めるのか?安全な水の確保方法


基本的にそのまま飲むのは避けるべき
タイの水道水は、都市部では浄水処理されていますが、水道管の老朽化や配管の問題から、細菌や不純物が混入する可能性があります。そのため、地元の人でも水道水をそのまま飲むことはほとんどありません。
煮沸すれば飲めるが、一般的ではない
水道水をしっかり沸騰させれば、細菌のリスクは低くなりますが、飲み水として利用する人は少なく、主に炊飯や調理に使われます。
ホテルやレストランでも水道水は飲まない
多くのホテルやレストランでは、飲料用にペットボトルの水やウォーターサーバーの水を提供しています。氷も安全性が気になるところですが、ほとんどのレストランでは浄水された水で作られた氷を使用しています。
安全な水の確保方法
ペットボトルの水を購入する
基本的に、タイでは市販のペットボトルの水を購入するのが一般的です。こうした事情から、ペットボトルの水は日本よりも安価です。
- 価格:500mlで約5〜10バーツ、1.5Lで10〜20バーツ程度
- 購入場所:コンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート)、スーパー、屋台など
- 選び方:キャップがしっかり閉まっているかを確認し、有名なブランドを選ぶと安心



以前タイを訪れた友人が屋台の飲み水にあたり、旅行中ずっとホテルで休むことになり、せっかくの旅行が台無しになってしまったことがありました。また、水をあまり飲まなかったせいで、熱中症になり、体調を崩してしまった人もいます。そのため、旅行中は常に安全な水を確保して水分補給をこまめにとることを心がけましょう!
タイのぼったくりタクシーを避けるコツ


タイでは観光客を狙ったぼったくりタクシーが存在するため、注意が必要です。以下の点を気をつけてください。
- メーターを使わせる: タクシーに乗る際は、必ずメーターを使用するように伝えましょう。タクシー運転手がメーターを使いたがらない場合、そのタクシーは避けるべきです。
- 事前に料金を確認する: 行き先が決まっている場合、運転手にあらかじめ料金を確認し、合意したら乗りましょう。また、観光地などでは相場を調べておくと安心です。
- 交渉を避ける: 高額な運賃を提示された場合、交渉するよりも他のタクシーを探した方が良い場合があります。
- 安心できる場所で乗車: 空港やホテルなど、観光客が多い場所でタクシーを探すと比較的安心です。
便利な配車アプリ「Grab」や「Bolt」の使い方
「Grab」や「Bolt」は、タイで非常に便利な配車アプリで、事前に料金を確認できるため、安心して移動することができます。プリを利用することで、交渉することなく、目的地までの道のりと金額が表示されるので安心です。
使用方法や、その他始めてのタイ旅行であると便利なアプリについてはこちらの記事をご参照ださい。
詐欺に注意!観光客を狙うお金関連の詐欺とは?


タイは比較的治安の良い国ですが、観光客を狙った詐欺や盗難は少なくありません。特に「お金の管理」が甘いと、狙われやすくなります。この記事では、観光客を狙ったお金関連の詐欺の手口や、お金を安全に管理する方法を紹介します。
釣り銭詐欺
小さな商店や屋台、タクシーなどで、大きなお札を出すと「お釣りがない」と言われ、少ない額で返されることがあります。
対策:
- 1000バーツ札ではなく、小額紙幣(20・50・100バーツ)を持ち歩く
- 事前にお釣りの金額を計算し、受け取る際にしっかり確認する
偽警察による取り締まり詐欺
警察を装った人物が「パスポートのチェック」などと言い、所持金を確認させようとしてくることがあります。その際に、財布からお金を抜き取られるケースも報告されています。
対策:
- 本物の警察かどうか確認する(警察官は必ず身分証を所持している)
- 万が一呼び止められても、財布を見せたり、お金を渡したりしない
- 本物の警察であっても、タイは悪い警察も多いため、必ずその場でお金を払ったりせず、書類を書いてもらい、後で交番に行き、自分で罰金を支払うと伝える。
スリ・ひったくり
財布をズボンの後ろポケットに入れていたり、バッグの中で無防備に持ち歩いていると、スリやひったくりに遭いやすくなります。
対策:
- 財布は前ポケットやボディバッグに入れ、ファスナーを閉めておく
- 大きな額を持ち歩かず、必要最低限の現金だけを持つ



最近では、BTSの改札付近で「日本円を見せてほしい」と声をかけ、1万円札を盗むケースが増えているようです。現金は必要以上に持ち歩かず、人前で見せないようにするなど、常に注意を払いましょう。
まとめ|事前準備をしっかりして楽しいタイ旅行を!
タイ旅行を思い切り楽しむためには、事前の準備と注意すべきポイントを押さえることが重要です。現地でのトラブルを避け、安全かつ快適に過ごせるよう、しっかりと対策をしておきましょう。
- タイの基本情報(気候・言語・通貨)を把握する。
- お酒の購入制限時間や飲酒禁止日を事前に確認する。
- タイのトイレ事情を理解しておく。
- パスポートの有効期限を確認し、残り6か月未満の場合は更新する。
- タイの水事情を理解し、安全な飲み水を選ぶ。
- ぼったくりタクシーや詐欺の手口を知り、対策を講じる。


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